石ころだと思っていた情報がダイヤだった話(初診日の証明)

蒸し暑さと日差しで溶けてしまいそうな7月でした。ここ横浜の猛暑日は、昨日までで連続6日間。今日、最高気温34度にとどまったのは、日中のゲリラ豪雨のおかげです。それにしても、どこまでも続きそうな暑さにおののいています。くれぐれもお気をつけください。

 

障害年金の請求代理を始め、15年ほど経ちました。悩みながらも支給決定を得られた事例を積み重ねたことで、勘が働くようになりました。ご自身では「初診日の証明が取れなくて困っている」、といった相談でも、少し状況を伺うと「何とかなるだろう」と見通しが立つのです。勘の精度は高い、と密かに自負していました。

 

ところが、思ってもみない展開になることもあるものです。その案件は、初診日の証明となる書類を見つけることがなかなかできないのでした。最初は、何とかなる、と悠長に構えていたところ、いつもの方法では証明が入手できません。この現実に驚き久しぶりに焦りました。

 

焦るばかりでは前に進みません。初心に立ち返り、受診歴について聞き取ったメモを読み返しました。すると、まだ当たっていない医療機関があることに気づきました。お客様も気に留めていない様子でサラリとお話しになった、ご病気の専門とは違うクリニックでした。しかも、30年前のたった数回の受診だというのです。最後の診察から5年経つと、法律でカルテを廃棄してしまってもよいことになっています。そのため、「無理だろう」と確認先から外していたところでした。

 

藁にもすがる思い、というのはまさにこの時の気持ちを指すのでしょう。ドキドキしながらクリニックに電話すると、院長がせわし気に「カルテあるよ」と答えてくれたのです。証明を入手できる可能性あり、の第一段階クリアです。欲しいのは、今回請求する病気で受診した時期などの情報が載っているカルテ。別の医療機関での受診歴なので、本人が話していないと記録されません。さすがに電話ではこんな込み入った話はできないので、後日、委任状を持って出かけることにしました。

 

そのクリニックの院長は、電話のぞんざいな口調とは違う、厳しさのなかにも優しさの漂うお医者様でした。自ら丁寧に説明をしてくれたおかげで、欲しい情報のあるカルテということも確認できたのです。嬉しくて気が抜けて涙が出そうになりました。数日間、暗い洞穴のなかで一人もがいている気分でした。そこに現れた光り輝く神(!)のような院長。どうもありがとうございました。

 

・・・というわけで、なんとか初診日の証明は入手できました。

教訓:お客様からの聞き取りは細かな情報も洩らさず記録しておくことが大切。なぜなら、お客様が気に留めていないことでも、状況を好転させるほど力を持つ情報になることがあるため。――初心を忘れずに進みます!

 

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