医師により診断書が書けるか否か分かれる発達障害

日差しが照りつける6月でした。平年より2週間も遅れましたが、関東は下旬に梅雨入り。ようやくこの季節がきたか、と思いながら次は程よい雨量になるかどうかを心配しています。作物の出来に繋がりますしね。

 

さて、大人の発達障害の話です。この障がいを診ることのできる先生(医師)が少なく困る方は多いだろうな、と感じることがあります。今月もこんな話を聞きました。

 

その方は、Aクリニックで広汎性発達障害(以前の病名:アスペルガー症候群)と診断されていました。コミュニケーションの支障や強いこだわりのため、日常生活に不自由があり、Aクリニックで作ってもらった診断書で障害者手帳2級が交付されていたとのことです。

 

その後、転院せざるを得なくなり、Aクリニックからの紹介状を持ってBクリニックを受診しました。Aクリニックで作成される予定だった障害年金の診断書を、Bクリニックに依頼しました。ところが、Bクリニックの先生に告げられたのは信じられない言葉でした。「あなたは発達障害ではない、不安障害とか強迫性障害だと考えている」——。

 

障害年金を精神疾患で請求する場合、診査対象にならない病名があります。発達障害なら対象ですが、不安障害や強迫性障害などの神経症は、基本的には対象外とされます。神経症が診査対象となるのは、うつ病などの気分障害や統合失調症などの病態が見られるときで、それを診断書に書いてもらわなければなりません。

この方は、診査対象になる病態はみられなかったため、障害年金の請求をしても不支給になることが明らかでした。

 

Bクリニックの先生の言葉に驚いたこの方は、急いで大人の発達障害を診るクリニックを探しました。人づてにCクリニックにたどり着いたそうです。

Cクリニックの先生は、その方の生活状況を丁寧に聞き取りました。事前に受けた検査結果と併せ、先生は「広汎性発達障害だね」と診断しました。「1人での生活は困難でできないことも多いね、障害年金を申請できると思うよ」と言ってくれたそうです。

 

一見、身なりも言葉遣いも問題なさそうに見える発達障害ですが、生活の様子を聞くと信じられないほどの苦労をしていることがあります。一昔前は発達障害は子ども特有の状態で大人になると自然に治ると言われていたとか。しかし、大人になっても発達障害で困る人たちがいることが徐々に知られてきました。精神科では比較的新しい障がいとなります。

 

Bクリニックの院長は、長く精神科医をされてきた高齢の先生でした。昔ながらの精神科の先生は、発達障害を知らず診断できないこともあるようです。

発達障害を疑って治療を受けるときは、その医療機関の診療対象に発達障害が掲げられているか、よく確認することが大切といえます。

 

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