大人の発達障害、理解ある先生探しを諦めないで

10年に一度の寒波に見舞われています。厳しい寒さといわれる日でも、晴れていると思ったほどの冷え込みを感じません。明るい日差しで、気持ちも温かくなるためでしょうか。

 

大人になって「発達障害」と診断され、有名大学卒など知的に問題ない方からご依頼がある場合、主治医の先生に障害年金を勧められているのかどうかをまず伺います。というのも、対象の方の日常生活の困難さを“真に”理解しようと向き合ってくださる先生はそう多くないからです。

 

理解する姿勢のない先生に、ご本人の日常生活まで踏み込んだ支障を理解することは難しく、結果、障害年金の診断書は適切に書けないと考えています。

 

ある方は、大人の発達障害を専門診療に掲げた精神科に通院していましたが、高学歴なことや流暢な会話ができることから、「あなたは障害年金の対象ではない」と言われていました。確かに、身なりもきちんとしていて、一見、困ったことはなさそうに見えます。

しかし、客観視や分析が得意なご本人から伺った日常生活は、「それはお困りですね」とうなずいてしまう事柄ばかり。ご本人の衝動性にご家族も巻き込まれていることがうかがわれました。

 

別の方は、メンサ(国際的な高IQ団体)にも加入できるほどの高いIQを持っているにもかかわらず、対人コミュニケーションにすっかり自信をなくしていました。自覚はないのですが、どうやらご本人が原因で相手が激高するほどの問題が行く先々で起こってしまうというのです。そのほかにも、日常生活に不便を生ずるこだわりが見られていました。

この方も、以前通院していた精神科クリニックで、生活上の支障はあまり深刻に受け取ってもらえなかったとのことで、障害年金の診断書作成は断られたとのことです。

 

どちらの方も、患者さんの不自由さに理解を示す先生に出会われた結果、障害年金の支給決定を得ることができました。

 

大人の発達障害は、わかってくださる先生が見つかりにくいと感じます。ただ、理解する姿勢をみせてくださる先生を探すことを諦めないでほしいと思います。生きにくさ、絶望感を覚えるなか、完全な理解は得られなくても寄り添う先生の診察は、希望の時間となるはずです。

わかってくださる先生は、豊かな情緒と想像力をもち、気持ちにゆとりのある素晴らしい方ばかりだった、と振り返っています。 

 

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