ここ2週間で一気に秋が深まったと感じます。今年もあと2ヵ月あまり。少し早いですが振り返ると、自身の内面を見つめ直しながら整理整頓できた年でした。執着してきた様々なことを手放せ、身軽に。コロナ生活は負の側面ばかりではありません。
さて、初診日を証明する書類を『受診状況等証明書』といいます。障害年金を受けるため、この証明書が大切なことを繰り返し書いてきました。しかし、医師法でカルテの保存期間は最後に受診した日から5年間。この期間を過ぎたカルテは廃棄され、病院側が証明書を作れないことは珍しくありません。
ただし、証明書が入手できなくとも障害年金を受けられる――なんていうこともあります。条件は、納期限まで(または多少過ぎても未納にせず)に年金保険料の手続きをもらさず続けているなど、「マジメな年金記録」になっていること。個々の状況から推定できる一定の期間から、年金機構が初診日を指定することがあります。指定された日を初診日として、障害年金を受給できます。
少し前に、精神疾患の事例でこんなことがありました。
約20年前、数ヵ月間通院していたAクリニックのカルテは廃棄されており、初診日の証明書は入手できませんでした。しかし、幸いなことに、Aクリニックの最後の受診からほどなく通院を始めたB病院のカルテは残っていました。
初診の医療機関で『受診状況等証明書』が取れなかった場合は、2番目以降の最も古い医療機関から、この証明書を取ります。このケースでは、2番目のB病院で『受診状況等証明書』を取り提出。初診クリニックについての記述はあるものの、「Aクリニック」の名称はなく、さらに受診の時期までもはっきりしない証明書でした。
後日、年金機構より照会が。初診日のAクリニックについては、本人の申し立てしかなく、B病院の証明に記載されている内容ではAクリニックの情報かどうかもわからない、曖昧なため認められない、という判断になったようです。その代わり、「B病院を初診とし、書類を書き直してください」、という指示でした。「従うと、B病院を初診として受給できるだろう」という年金事務所の説明でした。
期限内にきちんと納付を続け、結婚してからはご主人の扶養家族として記録されていました。こういった方なら、証明書が取れなければ初診日は動き、受給のための審査が続行されるのです。
年金機構HP 「初診時の医療機関による証明書がない場合の取扱い」
結局、このケースではAクリニックを初診とすることができました。Aクリニック初診は厚生年金、B病院の初診は国民年金。重症度としては、2級以上が確実。つまり、Aクリニックを初診としたほうが、年金額で有利だったのです。
B病院に掛け合い古いカルテを探してもらうと、なんと本人が語った内容を記した、詳細なカルテが出てきました。20年近く前のものです。Aクリニック名が記され、このクリニックが初診であることや、当時の受診内容や通院期間が、細かに記述されていたのです。このコピーを追加で提出したところ、2級の障害厚生年金の支給が決定。最も良い結果を得ることができたのでした。
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