「初診日の証明が取れない!医療機関が廃業・・・」でも認められました

7月下旬、戸塚駅のひまわり
7月下旬、戸塚駅のひまわり

 8月も下旬となりました。強い陽射しではありませんが、蒸します。

 

 お蔭様で、今月も複数の支給決定をいただいております。うち、初診日(初めて医療機関にかかった日)の証明が取れなかった案件に支給決定が出ました!

 

 お客様は、障害年金専門を謳ういくつかの事務所に相談され、「難しいですね」と言われ続けたとか。そんななか、弊事務所にご依頼くださいました。といっても、

「支給される可能性はゼロではありません」と回答するしかない、初診日の証明がどの程度できるのか、わからないところでの受任でした。

 時間はかかりましたが、いくつかの証明となりそうな文書を取り寄せました。そのうちの1つが初診日を裏付ける決定打になった、と考えています。

 

 ところで初診日の証明が取れない場合とは、次のようなケースが考えられます。①初診の医療機関が廃業している ②初診の医療機関での最後の診察から5年以上経っている(医師法でのカルテ保存期間を過ぎている) ③ご本人の記憶が不確かでわからなくなっている 

 

 今回は①のケースで、廃業していても当時のお医者様やご親族と連絡が取れれば、文書を作成していただいたり、カルテコピーをいただくことはできます。が、廃業から相当年数が経過していると、連絡の取りようがないことが多いのです。今回は後者でした。

 

 結局、こちらで用意できた証明は年月だけ。日にちまではわかりませんでした。このような場合、その月の末日を初診日とみなす扱いになります。


 折しも今月初旬、厚生労働省から、初診日証明に関する新たな取扱い案が出されました。決定されれば、現在ほどの厳密な初診日の証明を求めない変更になりそうです。10月からの公務員などの共済年金が厚生年金に統合される(「公的年金一元化」と言います)ことに伴い、現状の共済年金の制度で初診の証明については、国民年金や厚生年金より厳しくないことに鑑みての変更でしょう。

 障害年金を請求されるご本人自身は、当然のことながら、ご病気だったりけがをされていたりします。取扱いの変更で、手続きのご負担が少しでも減ることを期待します。