プロとして自覚している必要なこと

以前描いた「水先案内人」のイラスト

 今日は1日中雨。雨にけぶる横浜港を見てきました。

 

 老齢年金の請求手続きばかりしていた頃、先輩の社労士たちから、こんなふうに聞いていました。

「障害年金の請求の代行は受けない方が良いよ。

 お医者さんによって診断書の内容に差がありすぎて、

 支給決定を受けるのが難しいから」。

 

 しかし、障害年金の手続きで成功事例をたくさん持っている、別の先輩から話を聞いてみると、不支給になるにはそれなりの理由があることがわかりました。事前のチェックポイントを知らないで、"手"を加えないまま請求すると不支給になったり、実態より低い等級になったり、また本当は遡及の受けとり(最大過去5年分を受給すること)ができたのに、し損なったりしているのです。

 

 "手"は、ワザに言い換えられます。

 

 先日受けたケースで私が使ったワザの例です。お客様が過去に受診し、現在は受診していないクリニックに、当初「書けない」と断られていた診断書の作成を依頼することができました。

 このクリニックについてお客様から聞いていたのは、次の内容でした。

「問い合わせたところ、当時は障害年金が受けられるほど重症ではなかったですよね、と言われています。本当は重かったのに・・・」。

 

 "診断書は書けない"、"重症ではなかった"、と判断しているのは、クリニックの何方なのでしょう。これがはっきりしませんでした。

 

 真相を確認するため、あらためて私から問い合わせをしました。すると、年配の男性が、お客様が話されたことと同じ内容で応えてくれました。年配の男性、いくつか散りばめられた医学的な用語・・・、話し手は熟練の医師だ、と勝手に思いました。医師が判断したなら仕方ない、と諦めかけましたが、念のため確認しました。

 私 「お医者様ですね。」

 男性「いえ、私、事務の者です。」

 

 これを聞き、"ああ良かった、それならまだ、診断書を作成してもらえる可能性がある!"と、もう少し食い下がりました。

 いくつかのやり取りの後、事務の男性は、医師との面談を検討することを約束してくれました。結果として面談は実現し、診断書は無事作成されたのです。

 

 大切なのは、ワザと熱意。諦めないで熱意を伝えることも、この仕事では必要だと感じています。

 事務の男性は、私が真剣であることを電話口で感じてくれ、これまでの問い合わせとは違う反応をしてくれました。

 

 いつも真剣勝負です。お客様の代理人として、お客様に成り代わっているのですから。