精神の障害「ガイドライン」

平成28年(2016年)9月より「てんかん」を除く精神の障害で障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金)を請求した場合、等級判定のガイドラインに基づいて審査が行われることになりました。

 

障害基礎年金については、都道府県の認定医ごと、「認定基準」により審査が行われていました。しかし、認定医ごとの裁量の幅が大きいことが問題でした。障害基礎年金を請求し不支給とされる人の割合に大きな地域差が生じていたためです。

この問題を解消するため設けられたのが、『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』です。

なお、障害基礎年金の全国一元化に伴い、平成29年(2017年)4月からは、障害基礎年金の審査も障害厚生年金と同様、一カ所で行われています。

 

年金機構でこれを運用するのは、新規請求のとき、再認定(支給が決まった後、数年に一度更新の診断書を提出)のとき、額改定請求(病状が悪化し重い等級を請求)のときなどです。

この冊子および関連冊子は年金機構ホームページよりダウンロードできます。

「精神の障害用」の診断書・裏面の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」のどこに〇がついているかで、大まかな等級の見込みを知ることができるようになっています。

『ガイドライン』にある表「障害等級の目安」を使います。ただし、表の等級に必ず当てはまるとは限らず、直近の就労状況や、1人暮らしの場合は具体的な援助の内容などから、総合的に判断されます。

たとえば、表で2級に該当していても、就労状況により障害厚生年金3級になることは多いと感じます。同様に、お客様がご自身で請求したケースで、表で2級該当でしたが、直近1年間に一般就労していた(実際は障害者就労だった)と判断され、障害基礎年金は不支給の結果でした。

就労中、あるいは直近に就労していた場合、診断書に援助の内容を詳しく表してもらう必要があります。

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障害基礎年金には3級がありません。
初診日が国民年金に加入時、または20歳前の年金未加入時にある人は、「3級該当」は不支給となる目安といえます。また、「3級非該当」も年金不支給となる目安です。

(例)精神疾患で2級のケース

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日常生活能力の判定では、生活動作の7項目があり、一人暮らしするとしたらできるかどうかをみます。
「できる」から「助言や指導をしてもできない若しくは行わない」の4段階を軽症から1点、最重症を4点として数えます。
チェックが入った箇所の点数を合計し、平均点を算出します。この例では平均2.7です。

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A、Bの欄それぞれの数字を表「障害等級の目安」に当てはめ、2級目安であることがわかります。

知的障害の場合、A「日常生活の能力の程度」は、こちらに記入してもらいます。


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